【開催報告】安野先生と共に、熱い想いが集合!ペット共生公開勉強会

2026年09月23日

 2026年9月23日、安野舞子先生(横浜国立大学准教授)を昨年に引き続きお迎えし、ペット共生公開勉強会を開催しました。講演では、私たちが抱えている課題に対し、国内外でどのような取り組みが進められているのかをご紹介いただき、地域づくりを進めるヒントをたくさんいただきました。
 この国内外の先進事例をヒントに、後半のワークショップでは、参加者一人ひとりの意見を聞き、「いつの時点で、どんなことができそうか」、様々な立場からの意見を集約することができました。 

今回の内容

◆今回のテーマ

 いくつになっても、高齢や病気、認知症になっても、人もペットも安心して暮らせるには? そんな地域どうつくる? 「人と動物の福祉から考える、これからの地域づくり 」

 飼い主さんの自助に加えて、共助・公助、周囲の人、地域の理解を深め、支えるしくみを先進事例から学び、自分たちの地域に合うしくみを考えるため、講演会とワークショップをとおして一緒に考えました。

◆前半・講演 安野舞子氏(横浜国立大学 准教授)

「いくつになってもペットと幸せに暮らすために ~人と動物、双方の福祉を支えるしくみとは~」

 昨年ご紹介いただいた全国の好例をおさらいしながら、新たに次の先進事例をご紹介いただきました。

⑴ アメリカのTiger Place :昨年の勉強会で集まった5つ課題(①もしもの時、②高齢化・介護、③住まい、④費用、⑤つながり)に共通するテーマ「人とペットの関係をどう支えるか」を総合的に解決するモデルとして。

⑵ 自助の推進例:「ペットとわたしのエンディングノート」(NPO法人ペットライフネット)の活用方法

⑶ 高齢者とペットの将来への不安に、行政が向き合い始めていること

 ・鳥取市保健所の「保護猫預り制度」、

 ・新潟市動物愛護センターの「シニアforシニア」、

 ・東京都港区の「動物政策監」による「人の福祉」と「動物の福祉」をつなぐ行政の専門職の設置

 ・滋賀県甲賀市の「こうが人福祉・動物福祉協働会議」による在宅で地域やボランティア、有料サービスなど、周囲のサポートを得ながらの終生飼養の支えなど

 そのまま宮城・仙台市に当てはめることではなく、応用するためのヒントとしてたくさんの示唆をいたきました。

▶飼い主の自助は大前提ながらも、地域や行政の支えがあることで、人も動物も安心して暮らし続けられる社会を目指すこと。

▶人と動物の福祉は、一つの制度では支えられない。だからこそ、地域に多様な選択肢とつながりを増やしていくこと


◆後半・ワークショップ みんなで「地域で何ができる?」を考える

 「困る前に・・・、いつどんな支えがあれば安心?」 

 話題提供:NPO法人ペット終活サポートネット宮城 代表 齋藤まり子

 協力:人と動物四方よし研究会

前半は、当法人が取り組んでいる「飼い主さんを支える事業、飼い続ける支援」を紹介した上で、何が問題になっているのかを、飼い主の自助のための意識の壁、ペットの受け皿、高齢化、在宅の場合の困難、公助・共助の意識の壁などを整理しました。

その上で、私たちがよく直面する3つのケースについて、未然防止のために、自分の立場だったら、どんなことが考えられるか、ふせんに書いて発表してもらいました。

ケース1:ずっとペットと一緒にいたいが、入院拒否や倒れるまで無策→ペットの遺棄や放置に

ケース2:高齢夫婦が一人になり、認知症発症→ペットも自分も生活困難に

ケース3:多頭飼育による孤立と環境悪化の悪循環

ふせんは、参加者一人ひとりに発表してもらい、横軸を時間、縦軸を自助から共助・公助の視点で、四方よし研究会の皆さんと一緒に、写真のようにまとめました。それぞれの立場からのご意見は、短時間では話しきれない想いがあふれていて、参加者のみなさまの意識の高さを実感しました。

 それぞれ提案をいただくだけで、内容を十分深めることはできませんでした。いただいたアイデアは、実践主体の「人と動物四方よし研究会」で、今後どんな対策やネットワークを作っていったらよいのか、じっくり考えていきたいと思います。

 安野先生からは、自助に関する部分は多いが、公助・共助の部分を開発・推進していくにあたり、地元の企業や行政の既存のしくみ、著名人との連携などを示唆いただきました。また、メールでも追加で高校生や大学生などの若い世代を巻き込み、こうした社会課題に触れ、主体的に考える機会と、従来の枠にとらわれない専門分野からの研究開発も期待したいとのことでした。

感想とまとめ

◆参加者のみなさま

 今年度のペット共生公開勉強会は1回目ですが、昨年から継続して参加してくださっている方に加え、アーカイブ配信希望の方以外にも、 県外から駆けつけてくださった方など、この勉強会やテーマ、安野先生の講演、そして法人活動に関心を持って参加していただき、参加者の並々ならぬ熱い想いを感じることができました。

また、飼い主さんだけでなく、医療・福祉・士業など人を支える立場、動物病院・動物関係事業者・動物保護活動など動物を支える立場の方々も参加。立場を越えて「人とペットのこれから」を考える場になりました。

◆アンケートからの抜粋

<講演>

・Tiger Placeのお話がとても印象的で魅力的な情報でした(複数)。日本でも実現できないか、考えたい。

・ 国内外のよい事例をお聞きできて、大変勉強になった。

・よい前例を知り、自分の周りでも、終生ペットと暮らせるしくみがもっとできてほしい。

・日本でも、せめてシニアに動物を飼育することをすすめる風潮になることを望む。

・ペットと人に対する取り組みを開始している行政が出始めていることは、これからの希望の一つと思う。

・行政の取組がすばらしい。

・エンディングノートを書いてみたいと思った。

・本業における関心事と直結できた。

<ワークショップ>

・ペット共生に関してこんなにも熱い想いで取り組んでいる方々がたくさんいて感動した(複数)。

・参加されている方の意識が高く感心した。 

・人によって取り組む視点が様々なところが面白かった。皆が自分の出来るところからアプローチしたら少しずつ前進できるのでは。

・皆さんの意見を聞いて、自身の考えを見直したりできた。

・事例が「もう遅い」と思うことばかりで、早め早めに情報や対策をしておくべきと思った。

<さらに深めたいこと>

・ペット終活サポートネット宮城の活動が広まるといいと思う。 

・やっぱりコミュニティ作りだと思った。

・他県の事例で認知症高齢者に老猫を預けてお互い良い効果がみられるニュースがあり、シニアとのマッチングはアリだと思う。サポートさえあれば。

・ペットに関心がない人にどう伝えるか。

・ペットロスについても考えていきたい。


◆ご支援・ご参加・ご協力ありがとうございました

 講師の安野先生には、大学や研究で大変お忙しい中、昨年の講演以後継続して気にかけていただいた上、今回も宮城の現状に合わせた講演をいただき、大変ありがとうございました。

 また、万障お繰り合わせの上ご参加いただいた皆様、人と動物四方よし研究会の皆様、法人活動を応援いただいた皆様に、改めて御礼申し上げます。




次回のペット共生公開勉強会のご案内


日時:2026年11月23日(月祝)14:00~16:30

場所:仙台市市民活動サポートセンター

詳細とお申込み:予約ページ 又は 予約フォーム から

テーマ:いくつになっても、「自分らしく生きる」  ~住まい・環境と、人の支え合いに学ぶ~

▶講演1:

石井 敏氏(東北工業大学・副学長)

「その人らしい生き方を支える社会と環境~北欧フィンランドから学ぶ~」

▶講演2:

小野寺 知子氏(NPO法人全国コミュニティライフサポートセンター常務理事)

「地域をつなぐ、支えあいの輪 ~NPO法人CLCの実践から~」



主催:NPO法人 ペット終活サポートネット宮城×協力:人と動物四方よし研究会

「いくつになってもペットと安心して暮らせる社会へ」


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